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西はティレニア海に臨む海岸線を含むトスカーナ州の内陸部は、川や谷、そしてゆったりとしてなだらかな丘が続く風景で変化に富み、北はアペニン山脈をはさみエミリア ロマーニアに接します。紀元前5世紀には既にエトルリア人がワインを造っていたと
いわれ、その栽培方法は現代の栽培法の中にも生かされています。歴史と伝統、さらに現代のワイン造りをたくみに重ね合わせて、時代に訴える素晴らしいワインを生み続ける地方として、イタリアのワイン生産地の中で最も世界に知られていると言えるのではないでしょうか。
トスカーナのワインは、イタリアワインの中で二大産地の一つとして最も華やかで人気があり可能性を秘めた地域です。伝統的なキアンティや ブルネッロ以外でもスーパータスカンの誕生以来、イタリアでの品質的なリーダーであり続けています。ですがそれまではトスカーナの代表であるキアンティはフラスコ型の藁のビンに入った安酒といったイメージで安かろう、まずかろうのイメージがついていました。それによって質では
あまり期待されていなかったワインであしたが、醸造家達は自分たちの可能性を信じ一代の間で世界に胸を張って売り出せるワインに造り上げていきました。この運動には二つの流れがあり、一つはトスカーナの広大な地域で造られるキアンティをいかに品質向上させるかということで
した。シエナ、フィレンツェ、ピストイア、ピサ、アレッツォの5つの県で造られ、1億3千万本と全イタリアワインの種類の中で一番の生産量で、海外への輸出比率は生産量の70%にも及ぶ数字です。いかに市場競争の中で生き残れるかがネックになりました。そのことについて長年に渡って論議が絶えなかったのが、指定されている品種構成のことであり、品種としては主要であったがサンジョヴェーゼを100%ではキアンティを名乗れないことから、
その名前を自ら捨て独自に自社ブランドとして売り出すワイナリーも出ていました。 最近法律が改正され今でこそサンジョヴェーゼでも認められ、外来品種である
カベルネなどを15%まで加えることができるようになりましたが、それこそ、それまでは白ブドウの混醸などが義務付けられていました。 |
こうした流れを経ていきキアンティも生産者によって上質のものであると見直されてきました。キアンティが作られる地域は標高550メートルから650メートル。石灰質泥土壌あるいは砂利を含んだ土壌で、ブドウ造りに適した気候であり多くの優れたワインを生み出しています。地区としては古くから
キアンティを造ってきた中心地をクラシコと呼び別のDOCGにし、その生産量はキアンティ全体の3分の1程度になります。 もう一つの流れは今までの伝統的なブドウ品種にとらわれず世界的に認められている品種を使い、果実味あふれブドウの
凝縮味を大事にするスーパータスカンです。特にアメリカで最初に人気が出、それから世界的に認められるようになりました。 これによりトスカーナのワインへの可能性は増し他の州や海外からの資本投下も見られるようになりました。生産地域と
しては今までの内陸だけでなく、それまであまり見向きも されなかったリヴォルノやボルゲリなどの海岸地域にも目が向けられるようになりました。 今後この2つの流れをどれだけ伸ばせるかが、トスカーナのこれからの世界を代表するワイン産地としての問題です。 |
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